感染症の種類から日常生活の注意点まで。“免疫”のことを『分かりやすく』発信していきます。

vol.17

新型コロナ
最新の症状と対策は?
のどの痛みや微熱が
あるときはうつる?

最終更新日:2025.11.04

最近また流行を始めた新型コロナウイルス。よくニュースでは「ニンバス」ということばを聞くようになりました。
当初に比べると、重症化リスクは低下してきている新型コロナウイルスではありますが、発熱や喉痛など非常に辛い症状が出てしまうこともあるため変わらず感染には注意が必要です。
さらに、場合によっては後遺症がまれに出てしまうこともあるため依然として職場や学校で「うつらない」「うつさない」を徹底することが大切です。

今回の記事では新型コロナのような症状が出たときにいつまでうつる可能性があるのか?ということや、潜伏期間や微熱や発熱時の対処法についてまとめています。
コロナについて最新の情報を知りたい方は、ぜひこの記事をお役立てください。

新型コロナ 最新の症状は?

それではまず最新の新型コロナの症状をみていきましょう。

これまで新型コロナウイルスは、アルファ、デルタ、オミクロン、BA.5、XBB、JN.1、KP3など様々な変異株が発見されてきましたが、直近では「ニンバス」が猛威を振るっています。
この「ニンバス」はこれまでの株の症状と違い「のどがカミソリで切られるように痛い」という症状が特徴的です。

また従来の株よりも「ヒトの細胞への結合力(からだへの侵入の上手さ)」「ワクチンによって獲得した免疫をすり抜ける能力」が高いとされており、ウイルスがからだに感染する際、細胞表面にある「ACE2受容体」という部分を入口に使うのですが、ニンバスはこの入口に結合する力が高いことで、効率的に細胞に侵入できるといわれています。

またニンバスは、過去の新型コロナウイルスへの感染やワクチンによって獲得した免疫をすり抜ける能力(免疫逃避)が高いため、かからないためには日常的に免疫力を高めからだにウイルスを侵入させないことが重要となります。

ニンバスがこれまでの株よりも重症化しやすいという情報は今のところありませんが、重症化のリスクは十分にあるため、感染しないためにもマスク着用などの感染予防を心掛けることが重要です。
また新型コロナウイルスの潜伏期間は株によって若干ばらつきがあるものの、最短で1日、最長で14日と言われており、平均的には感染してから3日後から5日後に症状が出ることが多いとされています。

参考:東京都保健医療局

発生する可能性のある後遺症は?

「後遺症」は正式には「罹患後症状」と呼ばれています。
この罹患後症状というのは新型コロナにかかった後に、感染性は失ったにもかかわらず発生する症状のことで、

  • ① 罹患してすぐの時期から持続する症状
  • ② 回復した後に新たに出現する症状
  • ③ 症状が消失した後に再び生じる症状

の全般を罹患後症状と呼びます。
また、この罹患後症状についてWHOは下記のように定義しています。

  • 新型コロナウイルスに罹患した人にみられる
  • 少なくとも2ヵ月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかないものである
  • 通常はコロナの発症から3ヵ月経った時点にもみられる

参考:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A New

罹患後症状の代表的な症状

では実際にはどのような症状があらわれるのでしょうか?下記が罹患後症状として報告された代表的な例です。

罹患後生生の例:疲労感、倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下

参考:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A New

このように罹患後症状には様々な事例があり、個々人でこれは罹患後症状である or ではないと見極めをすることは非常に困難です。
このような症状が改善せず続く場合には、決して一人で判断せずに一度かかりつけ医や地域の医療機関に相談しましょう。

新型コロナはいつまでうつる?

では新型コロナを発症してしまった場合、どのくらいの期間うつる可能性があるのでしょうか?
厚生労働省によると、発症の2日前から発症後7~10日間程度はうつる可能性がある期間としています。
つまり潜伏期間含め2週間程度はうつさない、うつらないようにすることが必要です。

新型コロナウイルスの感染者がほかの人に感染させてしまう可能性がある期間は、
発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。この期間のうち、発症直前・直後で特に
ウイルス排出量が高くなると考えられています。

以上から、新型コロナを発症した、あるいは感染した可能性がある(体調に異変を感じている)方はたとえ軽微な症状であったとしても感染防止に努めましょう。

のどの痛みや微熱があるときは?

それでは風邪かコロナかわからないようなのどの痛みや微熱が出てしまった時はどうすればよいのでしょうか?

新型コロナが流行し始めた2020年頃は、厚生労働省がコロナの受診基準として「37.5度以上の発熱が4日以上」という目安を出していました。

しかし2023年5月8日以降、新型コロナウイルスが5類に分類されたことで具体的な基準は示されなくなりました。

そのため、残念ながら現在では明確な基準が無く「自分の平熱を踏まえたうえで判断する」という少し曖昧な状況となっているのが現状です。

Check!

厚生労働省の出しているマニュアルでは、発熱に関する指導や定義の考え方の例として
「平熱から1.0℃以上の体温上昇」を挙げています。

でも仕事もあるし予定もある・・・こんな時はどのように判断すればよいのでしょうか?

結論としては「37.5度以上」の発熱が続く場合はコロナの疑いがあるため、市販の抗原定性検査キットでセルフチェックを行うか、かかりつけ医や身近な医療機関での受診をし、しっかりとした療養をとることをおすすめします。

また「のどの痛み」がそこまで強くない場合も、ただの風邪だと自分で判断をせずに医療機関を受診するか、数日は様子をみましょう。

仕事があったり、外出の予定が入っている場合、コロナか風邪かすぐに見分けたい・・・という方も多いかと思います。
しかし結論から言えば風邪とコロナは「体温」や「のどの痛み」だけで見分けることはできません

あえて新型コロナウイルスと風邪に違いがあるとすれば、それは発熱期間の長さとはいわれています。

通常の風邪であれば4日間ほどで熱は下がることが多いですが、新型コロナウイルスでは4日以上発熱が続く場合があります。
現時点で熱が長引いてしまっている場合は新型コロナの疑いが強くなるため、しっかりと自宅で療養するほか、必要に応じてかかりつけ医や身近な医療機関の受診を検討しましょう。

すぐにできる予防対策

新型コロナウイルス感染症は、「飛沫感染(+エアロゾル感染)」「接触感染」が主な感染経路と考えられています。
そのため、これらの経路を遮断することが感染を防止する上で非常に有効な対策となります。
具体的な方法としては、「①マスクの着用」「②こまめな手洗い・手指消毒」「③定期的な換気」といった感染症への基本的な対策が非常に有効となります。

マスクの効果については
以前の記事に詳細をまとめています

またウイルスをシャットアウトするだけでなく、自身の「免疫力を低下させない」ことも非常に重要です。

「免疫」を高めるためには

  • ① 食事
  • ② 運動
  • ③ 睡眠

の3つが重要です。
偏った食事運動不足寝不足などによって免疫力は低下するため、この3つを心がけることで感染症予防につながります。

しかしこの忙しい毎日ではなかなかバランスのよい食事や定期的な運動をするのはハードルが高いですよね。

そんな時は市販のサプリメントを上手に使っていくことも有効な手段です。

忙しい毎日でもしっかりとケアしていくためにサプリメント等を活用しながら無理せず習慣づけていきましょう!

キリンではこういった課題に対応するため、約15年間にわたって風邪や新型コロナ、インフルエンザ等に対する乳酸菌の研究を行ってきました。

次のトピックではその乳酸菌について解説していきます。

プラズマ乳酸菌の研究成果

それでは「プラズマ乳酸菌」がどういった感染症に効果があるのか、これまでの研究成果を見ていきましょう!

新型コロナウイルスの
増殖を抑える効果(非臨床試験)

pDCにプラズマ乳酸菌を加えて培養したあとの培地をVero細胞と呼ばれる細胞に加え、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2 WK-521株)を添加する実験を行いました。

その結果、プラズマ乳酸菌を加えた方では、加えなかったものに比べてウイルス増殖量が低下するという研究データが得られました。

このことから、プラズマ乳酸菌は新型コロナウイルスに対して「増殖を抑える」働きがあることが明らかとなりました。

風邪・インフルエンザ様症状を
抑える効果(臨床試験)

30歳から59歳の健康な男女213名をプラズマ乳酸菌を飲んだグループ飲まなかったグループに分け、冬季70日間の症状を調べるヒト臨床試験を行いました。
その結果、「咳」や「熱っぽさ」など、風邪、インフルエンザ様症状の自覚症状が軽減されることが分かりました。

風邪・インフルエンザ様症状
〈自覚症状の比較〉

「咳」累積発症者数(人) 「熱っぽさ」累積発症者数(人)
ひどい/かなりある/多少ある/少しだけある

**は有意水準0.01で、統計学的に有意差あり
出典:Br J Nutr. 114:727-733, 2015.

詳しくはこちら

新型コロナウイルス以外にも「プラズマ乳酸菌」は様々な感染症に対して効果が示されています。

詳細は下記のページにまとめていますのでぜひご覧ください!