乳酸菌 L.ラクティス プラズマとは?(Lactococcus lactis Plasma)

L.ラクティス プラズマ
(プラズマ乳酸菌)とは?

プラズマ乳酸菌は、一般的な乳酸菌にはない特別な機能を持っています。

01プラズマ乳酸菌と
他の乳酸菌との違い

プラズマ乳酸菌は、免疫の司令塔であるpDCを直接活性化することで、免疫全体を活性化させることができます(下図)。

一般的な乳酸菌の防御機構/乳酸菌 L.ラクティス プラズマによるpDC活性化と抗ウイルス防御機構

参考:Pharma Medica 35(7):69-74,2017より一部改変

プラズマ乳酸菌による
pDC活性化の意味

一般的な乳酸菌が免疫細胞を活性化することはよく知られていますが、これは一部の免疫細胞のみの活性化にとどまるため、ウイルスへの攻撃は限定的となります。プラズマ乳酸菌は、ウイルスと戦う免疫の司令塔であるpDCを活性化できるので、免疫細胞全体を活性化できます。その結果、総合的にウイルス攻撃することができます。

02プラズマ乳酸菌と一般的な
乳酸菌のpDC活性化能の比較

pDCは、ウイルスを攻撃する際にインターフェロンαを産生しますが、プラズマ乳酸菌は、他の一般的な乳酸菌と比較して、pDCに最も多量なインターフェロンαを産生させることができました。

※免疫細胞が出すウイルスが増えるのを抑える物質

プラズマ乳酸菌ならびに他の乳酸菌を添加したときのインターフェロンα産生量(in-vitro試験)

L.ラクティス プラズマならびに他の乳酸菌を添加したときのインターフェロンα産生量(in-vitro試験)

出典:第48回日本小児感染症学会(2016年)

pDC培養系に、プラズマ乳酸菌ならびに他の乳酸菌を添加し、インターフェロンαの産生量を測定した。

03プラズマ乳酸菌による
pDC活性化のしくみ

小腸での吸収とpDCの活性化

一般的な乳酸菌は、生きて大腸まで届くことで腸内環境を整えますが、プラズマ乳酸菌は生菌でも死菌でも同様に効果があり、小腸で吸収されてpDCを活性化します※1-6

参考:PLoS One 10(3): e0119055,2015.

プラズマ乳酸菌を経口摂取した際に想定される小腸におけるpDC活性化のメカニズム。プラズマ乳酸菌は小腸免疫組織であるパイエル板より取り込まれ、pDCを活性化することで、ウイルス免疫に対する応答を制御する。

※1 Clin Immunol Vol 149: 509‒518,2013.
※2 Br J Nutr. 114:727-733,2015
※3 J Func Food. 24: 492-500,2016
※4 薬理と治療(JPT)Vol.43:No.10,2015
※5 Health, 9: 756-762,2017
※6 J Func Food. 35: 513-521,2017.

プラズマ乳酸菌による
pDC活性化の様子

pDCは細胞の内部に活性化の「スイッチ(受容体)」があります。
一般的な乳酸菌はpDCの外部にとどまるだけですが、プラズマ乳酸菌は内部に取り込まれます(上図)(左図)
取り込まれるとpDCのかたちが変わり、ウイルスを攻撃する「活性化型」となります(下図)(右図)

対照乳酸菌/プラズマ乳酸菌 活性化前 通常状態のプラズマサイトイド樹状細胞/活性化後 活性化したプラズマサイトイド樹状細胞

:プラズマ乳酸菌(右)と対照乳酸菌(Lactobacillus rhamonsus ATCC53103)(左)を緑色蛍光分子にて標識し、それぞれpDC培養系(赤色は細胞を示す)へ添加した際のpDCによる貪食の様子。プラズマ乳酸菌のみがpDC内部に取り込まれている様子がわかる。
:電子顕微鏡による細胞形態観察。プラズマ乳酸菌をpDC培養系へ添加すると活性型となり、形態変化がおこる。

出典:PLoS One 7(4): e32588,2012.

04プラズマ乳酸菌による
pDC活性化(ヒト試験)

プラズマ乳酸菌を摂取することで、pDCの活性が高く維持されることを、ヒト試験においても確認しています。

ヒトにおけるプラズマ乳酸菌
摂取時の血中pDC活性

健常な男女38名を、被験食品群(プラズマ乳酸菌を1,000億個含有するヨーグルト飲料を摂取する群、19名)もしくはプラセボ群(プラズマ乳酸菌を含まない飲料を摂取する群、19名)に分け、それぞれの試験食品を4週間にわたって摂取させ、試験前後の血中pDC活性を測定しました。その結果、被験食品群は、プラセボ食品群と比較して、試験終了時の血中pDC活性が有意に高いことが認められました。
(ランダム化二重盲検並行群間試験)

活性が高く維持された **は有意水準0.01で、統計学的に有意差あり #は有意水準0.05で、統計学的に有意差あり

出典:Clinical immunology 149, 509-518,2013.

研究開発に込めた思い

キリンホールディングス株式会社
ヘルスサイエンス研究所
藤原 大介 博士(農学)

食品の摂取を通じた
健康維持へのアプローチ

従来、広く国民に認知されてきたインフルエンザ等のウイルス感染に加え、近年のグローバルな人とモノの移動手段の発達は、国や地域を跨いだウイルスの感染リスクの増大に繋がり、リスクが高まることが想定されます。この問題の解決手段として、検査技術の向上や、ワクチン、抗ウイルス薬等の開発が進められています。一方で、このようなアプローチはウイルス種特異的であり、開発にも長い期間を要します。そこで我々は、利便性と安全性の高い食品の摂取を通じて、日常生活のなかでウイルス感染全般に対して抵抗力を高めることで、発症率の低下や、発症時の重症化を防ぐ、というコンセプトに基づき、研究に着手しました。

プラズマサイトイド樹状細胞を
活性化させる乳酸菌の開発

乳酸菌は、古来よりヒトが食品づくりに活用してきた、安全性が高く、かつ、取扱いが容易な食品素材として知られています。乳酸菌が健康機能に影響を及ぼすことは広く研究されており、整腸作用や腸内細菌叢改善効果が著名です。また、乳酸菌自体が自然免疫刺激物質として、免疫賦活に関与することも知られています。しかしその場合は一部の免疫細胞しか活性化することができない、という限界がありました。これに対し、我々は、ウイルス免疫の司令塔細胞である、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化することができる乳酸菌ならば、結果として免疫系全体へはたらきかけることができるであろうという仮説のもと、探索を始めました。当時は、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化できるような乳酸菌は存在しないというのが定説でした。しかし、我々は粘り強く実験を行い、ついに目的の乳酸菌の同定を達成し、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化する乳酸菌、という意味を込めて「プラズマ乳酸菌」と命名しました。

※ Blood 2009;113:4232-4239.
Human plasmacytoid dendritic cells are unresponsive to bacterial stimulation and require a novel type of cooperation with myeloid dendritic cells for maturation.

開発者として
プラズマ乳酸菌に期待すること

人生100年時代といわれる今、楽しく活き活きと生活することが大切だと考えます。プラズマ乳酸菌は、ヒトの健康維持に必須である「免疫」に関与します。自分も含め、皆がいつまでも元気に幸せに暮らしていくことに、プラズマ乳酸菌が役立てば良いとおもっています。

プラズマ乳酸菌の安全性

紀元前から「旧約聖書」の中で旅人をもてなし、ヨーグルトの母といわれる「酸乳(Soured milk)」。
プラズマ乳酸菌の属するLactococcus lactisは、ヨーロッパにおいてこの酸乳づくりに使用され、
昔から食べられていた、ヒトにとってなじみのある菌です。
また、キリングループにおいてさまざまな安全性試験を実施しており、豊富な安全性データを蓄積しています。

主な安全性試験の概要(ヒト臨床試験)

健常成人男女にプラズマ乳酸菌を1,000億個以上配合した飲料を1日1本12週間摂取させた試験において、有害事象の発生は認められなかった。

田中健太郎, 鈴木弘章, 金山雅也, 藤井敏雄, 藤原大介, 野澤元, 杉村春日. 乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805および難消化デキストリン含有飲料の長期摂取時および過剰摂取時における安全性の検討. 薬理と治療 Vol.43 No.12 Page.1711-27, 2015.

健常成人男女にプラズマ乳酸菌を1,000億個以上配合した飲料を1日3本4週間摂取させた試験において、有害事象の発生は認められなかった。

田中健太郎, 鈴木弘章, 金山雅也, 藤井敏雄, 藤原大介, 野澤元, 杉村春日. 乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805および難消化デキストリン含有飲料の長期摂取時および過剰摂取時における安全性の検討. 薬理と治療 Vol.43 No.12 Page.1711-27, 2015.

健常成人男女にプラズマ乳酸菌を5,000億個以上配合したカプセルを4週間摂取させた試験において、有害事象の発生は認められなかった。

Kato Y, Kanayama M, Yanai S, Nozawa H, Kanauchi O, Suzuki S. Safety evaluation of excessive intake of Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805: a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group trial. Food Nutr Sci. 9: 403-419, 2018.