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vol.11 花粉症対策のポイント
2024.03.13
春は厳しい寒さが和らいで過ごしやすい季節ですが、花粉症に悩む方にとっては厳しい時季でもあります。このコラムでは、免疫力を高め、花粉症に対抗するためのヒントをご紹介します。
解説・監修:岡本美孝 先生
千葉ろうさい病院 院長
千葉大学大学院医学研究院 名誉教授
日本人にとても多い花粉症
みなさんご自身もしくは身近な方で花粉症だという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。今や国民の3人に1人以上、半分近くが花粉症であると言われており、国民病と言えるかもしれません。このように多くの国民を長年悩ませ続けている花粉症問題に対し、政府もついに動き出し、花粉症に関する関係閣僚会議が設置され、令和5年5月30日に「花粉症対策の3本柱」が立てられました。行政として解決へと乗り出しています。
花粉症はくしゃみや鼻水、目の痒み等が一般的な症状ですが、のどの違和感や肌荒れを訴える方もいらっしゃいます。
市販の鼻炎薬で改善できないほど重症化する場合もあり、普段から花粉症を発症させないための予防策としてゴーグルを付ける、洗濯物を外に干せないなど、日常生活を不自由にする影響が出てくる例も少なくありません。
今年は暖冬の影響から、全国的に飛散量はやや多くなる見込みとのことです。早めの対策が必要です。
免疫力と花粉症の関係
花粉症では、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、充血、涙、のどの痒みなどのさまざまな症状が起きます。
いずれも身体に入ってきた花粉を取り除こうとすることで生じるアレルギー反応です。
花粉症の時に身体の中で
起こっていること
- 花粉に対する抗体(IgE)が
異常に作られる - そこに花粉が入ることで
抗原抗体反応が起きる - 肥満細胞からヒスタミンなどの
アレルギーの原因となる物質が
放出される - くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの
症状が発症する
身体は本来、異物や病原体に対して防御反応を示す免疫システムを持っていますが、花粉症では、上記のように免疫システムが花粉に対して異常に反応し、アレルギー反応が生じていると考えられています。
また免疫システムの異常により、副鼻腔炎や、気管支喘息、結膜炎などの合併症を引き起こし重症化するというリスクがあります。免疫機能をバランスよく正常に保つことが大切です。
花粉症対策のポイント
1.花粉との接触を避ける
- マスク、メガネを着用する
- 花粉が付きにくい服装にする
- 手洗い、洗顔を実施する
- 室内をこまめに掃除する
- 花粉の少ない時間帯などに上手に換気する
- 花粉の多い時間帯の
外出を避ける
2.正常な免疫機能を保つ
- 睡眠をよくとる
- 規則正しい生活習慣を
身につける - バランスの良い食事を取る
- 適度な運動を行う
このような対策を組み合わせることで、免疫力を向上させつつ花粉症シーズンを乗り切りましょう!