感染症の種類から日常生活の注意点まで。“免疫”のことを『分かりやすく』発信していきます。

vol.9 【冬の感染症】どうして学級
閉鎖が増えてるの!?

2023.12.27

ここ最近、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が続き、学級閉鎖が続出しています。
「インフルエンザとコロナに両方感染したらどうなるのか」「どうやったらインフルエンザやコロナを防げるのか」と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

宮田俊男

監修:宮田 俊男 先生

日本の医療の在り方に一石を投じる、都市型の地域包括医療クリニック〈みいクリニック〉理事長(東京都渋谷区、大阪府箕面市)
早稲田大学理工学術院教授/吉本興業企画笑来塾塾長

そもそも同時感染するの?

これまでに世界各地で実際にインフルエンザウイルスと新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の2つのウイルスに同時発症した人がいます。同時感染することは、インフルエンザの「flu」と新型コロナウイルスの「corona」の一部を合わせて「フルロナ」という造語で呼ばれており、イギリスの研究によると、呼吸器系ウイルスの検査が行われた約7000人の新型コロナ感染者のうち、インフルエンザに重複感染していた割合は約3%いたとのことです。頻度が高いわけではありませんが、合併しうるということです。

※Swets MC, et al. Lancet. 2022;399:1463‐1464

一回インフルエンザにかかったら、
今年はもうインフルエンザに
かからない?!?

インフルエンザにはA型やB型、またA型の中にも多くのウイルスの種類があると言われています。
一度インフルエンザに感染しても、他の型のインフルエンザにかかってしまう可能性があります。一度感染したからと安心せずに、体調なども考慮しながら早めにインフルエンザワクチンを接種した方が良いでしょう。
まずは感染しないようにしっかり対策することが大切です。

冬はウイルスが流行しやすい季節

ウイルスの多くは気温15℃・湿度40%以下の環境を好み、低温度・低湿で長く生存します。また乾燥した空気ではウイルスは表面の水分を失い空中に浮遊しやすく、生存期間も長くなるため、感染も拡がりやすくなります。

わたしたちの身体の免疫も
低下しがち

冬は気温の低下に伴い、身体が冷えることで免疫機能が低下しやすくなります。
また、近年は猛暑が非常に長引く傾向にあります。猛暑により蓄積された疲労や不眠、エアコン使用による自律神経の乱れ、食欲低下による栄養不足から、免疫機能が落ちていることも考えられます。
それに加えて外気が乾燥していることや、気温の低下により水分をあまり摂らなくなることにより、のどや鼻の粘膜が乾燥しやすくなり、ウイルスを防御する力が弱まり、さらには忘年会や帰省など外出の機会が増えるので、ウイルスが広まりやすい、出会う確率が高くなっているなど、冬はウイルス感染の危険因子がたくさんあります。

冬にやりたい予防法

  • エアコンや加湿器で、室温22~26度、湿度50~60%を目安に快適に過ごす
  • カラダを温める食べ物、
    飲み物を積極的に摂取する
  • 外出前後は手洗い、
    うがいをする
  • 適度な運動を行う
  • 質の良い睡眠をとる
  • マスクで喉や鼻の
    湿った状態を保つ
  • こまめな水分補給を
    心掛ける
  • 免疫に良い乳酸菌を摂る

冬の感染症に備えて、しっかり予防していきましょう!