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vol.8
免疫を整え、一日晴れやか!
“春先のなんとなく不調”対策
(後編)
2023.06.30
季節の変わり目に感じる“なんとなく不調”。
春先に不調を感じる人は、なんと2人に1人にも上るといわれます。
その“なんとなく不調”に大きく関係しているのが、免疫。継続するのが難しい免疫ケアに取り組むヒントも、朝にあったのです!
監修:宮田 俊男 先生
日本の医療の在り方に一石を投じる、都市型の地域包括医療クリニック〈みいクリニック〉理事長(東京都渋谷区、大阪府箕面市)
早稲田大学理工学術院教授/吉本興業企画笑来塾塾長
まずは、チェック!
あなたの免疫機能は?
春に特有の“なんとなく不調”には、免疫対策がマル必。と分かっていても、継続して実行するのが難しいことも判明しました。
そこで試してもらいたいのが、下の「免疫機能セルフチェック」。
このリストは、宮田先生が運営する『健こんぱす』というアプリに収められている、さまざまなカラダの不調をチェックするサービスのひとつ。
このアプリでは、不調に合わせ、必要な栄養素のサプリや市販薬などを、宮田先生と薬剤師がナビゲートしてくれます。
免疫機能セルフチェック
-
果物、野菜を食べるように
していますか?- あまり食べない
- よく食べる
-
よくアルコールを
飲み過ぎますか?- はい
- いいえ
-
日々、ストレスを感じて
いますか?- よく感じる
- あまり感じない
-
疲れが取れないと
感じますか?- はい
- いいえ
-
風邪をひきやすかったり、
長引きやすいですか?- はい
- いいえ
-
最近、食欲がなく、
痩せてきていますか?- はい
- いいえ
-
ウォーキング、スイミング、ゴルフ、トレッキング、スノーボード、スキーなど運動してますか?
- あまり運動はしない
- している
-
睡眠不足と
感じていますか?- はい
- いいえ
免疫セルフチェック 結果
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1と答えた数 0個
このままその健康習慣を継続しましょう。
-
1と答えた数 1個
免疫機能を維持するために改善に取り組みましょう。
-
1と答えた数 2個以上
免疫機能が下がっている可能性があります。
できることからまずアクションしましょう。
出典/宮田俊男先生監修、医師と薬剤師が考えた市販薬・ヘルスケア用品の案内アプリ『健こんぱす』
「まさに、一日の計は朝にあり。朝活をすることで、免疫力も充実させられます」
宮田先生が強調するのは、朝食をしっかり摂ること。
「ダイエットなどで朝食を全く食べない人がいますが、免疫的には全く良くありません。一日に必要なエネルギーはもちろん、腸内で乳酸菌などの善玉菌の働きを助ける果物の果糖、そもそも乳酸菌が豊富なヨーグルトなどを摂るようにします」
しっかりした朝食に欠かせないのは、タンパク質だと宮田先生は語ります。
「朝食では、乳製品や卵など、タンパク質を摂ることが大切です。タンパク質が多く含まれる食べ物の咀嚼や消化吸収によって食事誘導性熱産生が得られます。つまり体温が上がるので、免疫機能がアップします。食事だけで取り組むのが不安であれば、信頼できるサプリメントも選択肢のひとつです。ダイエットを意識するのであれば、朝食ではなく、ランチを控えましょう」
一日のスタートなので、予定をコントロールしやすい朝。朝食に加え、朝は運動にも取り組みやすいと宮田先生は語ります。「犬の散歩ができれば最高ですが、通勤を“速歩”でするのもお薦めです。運動によって自律神経が働き、免疫も活性化します。免疫は、常に外敵に対して臨戦態勢で、ミクロレベルで戦いまくっています。心臓は鼓動を打ち続け、肝臓は常に解毒し続けています。カラダ全体が、その内側でアクティブに働いているのです。カラダの防御システムである免疫を働かせるにも、定期的に適度な運動を行うことが必要です」
休日、早朝からのゴルフも
免疫力をアップさせる!?
朝の運動習慣によって、その日全体を活動的にできるのがメリットと、宮田先生は力説します。
「休日であれば、ゴルフやフットサルなど、神経系に大きく作用するゲーム性の高いスポーツもお薦めです。特にゴルフは、早朝から長時間にわたってプレーし、脳が“面白い”と感知し続けるので、体調にもよく働きます。人との良好なコミュニケーションが生まれることでも、免疫が上がります」
運動よりも手軽なのは、朝、太陽の光を浴びること。
「カラダに備わる“体内時計”を働かせることは、免疫を維持するうえで、とても重要です。時計が間違っていたら、免疫も発揮しにくくなります。しかも体内時計は、もともと少し遅れるように設計されています。なので、太陽光を浴びて、リセットさせる必要があるのです」
ここで気になるのは、睡眠です。
前のコラムで紹介した「体調管理に関する調査」でも、“なんとなく不調”での睡眠の諸々の課題が挙げられています。
「スマホのアラームで、強制的に深い眠りから覚めるのではなく、気持ちよく目が覚めるリズムを作るのも大切です。浅い眠りから自然な覚醒を得るには、自分の睡眠サイクルを知ることが必要です」
睡眠をモニターするには、近年さまざまなデバイスも発売されています。
四季に彩られた日本は
“なんとなく不調”列島。
「質の良い睡眠には諸説ありますが、平均的な睡眠の周期(約90分間)を考慮する方法もあります。忙しい人でも最低約6時間、理想的には7時間30分、ショートスリーパーでも約4時間30分、自分に合う、いずれかの時間を選べばいいのです。ただし、眠り過ぎもよくありません。また、よくいびきをかく方は、睡眠時無呼吸症候群という、命のリスクを伴う可能性があるので、検査してみましょう。睡眠の質が悪いと、太りやすさにも繫がります」睡眠が不足することは、体内のホルモンバランスを崩すことに直結します。内分泌系の働きが悪くなると、カラダの防御システムである免疫までダウンしてしまうのです。
「体温を上げることも、免疫アップに繫がります。では、何度上げればいいか?と聞かれると、それは人それぞれなのですが、朝のシャワーで自律神経に刺激を与えて、カラダを温めることは意味があります」
ちなみに流行のサウナは、遺伝や生活習慣などで血管系のリスクが低ければ、カラダを温めることに役に立つようです(宮田先生もサウナ♡)。
季節の変わり目の“なんとなく不調”。寒暖の差が激しいタイミングならではの不調だが、日本は四季に彩られた島国です。
「四季の変わり目は、免疫ケアのタイミングといえます。例えば夏バテですが、その予防策として、早い時期に暑い気温にカラダを慣れさせる“暑熱順化”という考えが広がってきています。冬の入り口にはインフルエンザや風邪が流行りますし、秋雨の頃に体調を崩すことが多いのも、同じく気温の変化にカラダが適応できていないからです」
季節の変わり目に体調を崩しやすい人ほど、毎日の免疫ケアなのです。
「カラダには、“なんとなく不調”によって厄介なことになる細胞や外敵が、ちょいちょい存在しています。本来は免疫がそれらの細胞や外敵をやっつけてくれるのですが、“なんとなく不調”などで免疫が下がると、そうした仕組みをすり抜けてしまいます。免疫ケアは、朝の習慣化が鍵になります。食事や生活習慣、睡眠や運動など、一日の始まりにケアをすることをお薦めします」