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【最新版】プラズマ乳酸菌
とは?効果や口コミは?
安全性・エビデンスを解説
2025.09.17

テレビやSNSの口コミでよく目にするプラズマ乳酸菌。
直近では「免疫力低下を補う乳酸菌」として、バラエティ特集や報道番組などで取り上げられました。
そんなプラズマ乳酸菌ですが、実際のところどんな機能があるのでしょうか?
また、どのくらいの期間で機能が期待できるんだろう?からだへの影響や安全性はどうなんだろう・・・など気になることもたくさんありますよね。
本記事ではそんなプラズマ乳酸菌の最新情報を、科学的な視点からまとめていきます。
まだ暑い時期を健康に乗り切るために、ぜひこの記事をご活用ください!
「プラズマ乳酸菌」とは?
プラズマ乳酸菌とは、からだの免疫細胞を活性化させることで風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなど、感染症に対して機能することが報告されている乳酸菌です。
世界で初めて、免疫の司令塔であるpDCという細胞にはたらきかける乳酸菌として論文で報告されました。
免疫の司令塔を直接活性化できることから、免疫細胞全体を効率的に活性化できることが一般的な乳酸菌にはない強みとなっています。


一般的な乳酸菌との違いは?
では一般的な乳酸菌とプラズマ乳酸菌はなにが違うのでしょうか?
一般的な乳酸菌との比較をまとめてみました。
一般的な乳酸菌 | プラズマ乳酸菌 | |
---|---|---|
主な機能 | 整腸作用 | 免疫機能の維持 |
はたらき方 | 乳酸菌がつくる乳酸で 悪玉菌の増殖を抑制する |
乳酸菌に含まれるDNAが 免疫細胞を活性化* |
生きて腸まで届く必要 | あり | なし |
*PLoS One 7(4): e32588,2012.
❶主な機能
一般的な乳酸菌は「整腸作用」が主な機能であることが多いです。
口から摂取したあと、胃を通って腸まで運ばれ、排出されるまでの間に整腸作用を発揮します。
一方でプラズマ乳酸菌は「整腸作用」という機能は確認されていないものの、「免疫」に対して機能を発揮する、とても珍しい機能を持っています。
❷はたらき方
一般的な乳酸菌は、排出されるまでの間にその菌がつくる「乳酸」という物質によって、腸内の環境がやや酸性に傾きます。
それによって悪玉菌が増殖しにくい環境となり、整腸作用を発揮するというメカニズムです。
一方でプラズマ乳酸菌は、菌自体に含まれるDNAが効果を発揮します。
プラズマ乳酸菌を口から摂取すると、胃を通って小腸に運ばれ、免疫細胞がたくさん存在するパイエル板という組織に到達します。
その中で、免疫細胞の司令塔である「pDC」に取り込まれて直接活性化させることで、免疫細胞全体を効率よくはたらかせることができるようになります。
❸生きて腸まで届く必要
一般的な乳酸菌は生きていないと乳酸が産生できないため、生きたまま腸に届ける必要があります。
しかし胃酸や胆汁酸に弱い種が多く、腸まで届かずに死んでしまった場合は目当ての効果が得られません。
一方でプラズマ乳酸菌の中のDNAは非常に安定的な構造をしており、菌が生きていても死んでいても同じ機能が発揮されるという強みがあります。
そもそも免疫ってなに?
ではそもそも免疫というのはどういったものなのでしょうか?
免疫とはわたしたちのからだに備わっている防御システムのことで、体内に侵入してくる「ウイルス」や「細菌」からからだを守ってくれています。
そのため、免疫力がしっかり維持されていると風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスといった感染症にかかりにくくなります。
その免疫を担っているのが「免疫細胞」で、その細胞のはたらきを取り仕切っているのが「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」という、司令塔となる細胞になります。

食事の栄養バランスが崩れたり、十分な睡眠時間が確保できなかったり、運動不足になったりすると免疫力は低下してしまい、感染症にかかりやすくなってしまいます。
※それぞれの詳しい内容については過去の記事にまとめています。
夏は暑さによる寝苦しさや食欲不振などにより、免疫力が低下する傾向にあるともいわれています。
まだまだ暑い日が続きますので元気に乗り切るためにも免疫には気を配っていきましょう!
プラズマ乳酸菌の
科学的な信頼性は?
ここまで免疫の機能について解説してきました。では実際、プラズマ乳酸菌の効果に対して、科学的な信頼性はあるのでしょうか?
実は現在、プラズマ乳酸菌は国内外あわせて34報もの研究論文が発表されています。
この論文数は食品素材としては非常に多く、プラズマ乳酸菌の科学的な信頼性が非常に高いことがうかがえます。
では、いくつか代表的なものをピックアップしてご紹介します。
あつさによる免疫の活性低下を
抑制する効果(細胞での実験)
実験内容
ヒトの通常の深部体温(37℃)と高温(38.5℃)でヒトの免疫細胞であるpDC(司令塔)を培養し、H1N1(不活化インフルエンザウイルス)、プラズマ乳酸菌を加えて抗ウイルス応答を調べた。
その結果、高温(38.5℃)ではpDC(司令塔)の活性が下がったが、そこにプラズマ乳酸菌を加えることで、活性の低下が抑制され、37℃のときよりも約25倍も活性が高まることが分かった。
pDC活性化指標IFN-αの
産生量のグラフ

これらのデータから、高温条件によって免疫細胞の活性が低下すること、そしてプラズマ乳酸菌の添加は免疫の司令塔であるpDCの活性低下を大きく改善することが示唆されました。

医学博士 西﨑 泰弘 氏
東海大学
医学部総合診療学系健康管理学領域
主任教授
熱中症予防には脱水回避とともに免疫機能の維持も重要であることが医学的に報告されています。
熱中症による死因は「多臓器不全」であることが多いのですが、実は熱中症になると腸管内の毒素が免疫の異常(不活発化)によって拡散されて「エンドトキセミア」と呼ばれる重症化した状態となり、多臓器不全にいたることが分かっています。
熱中症は、脱水と深部体温上昇がもたらす死に直結する病態で、昨年の5~9月は過去最高の9万7578人が救急搬送され、そのうち120人が死亡、2178人が3週間以上の入院を要しました。
今年はより厳しい猛暑が観測されていますので、しっかりした熱中症予防が必要です。
出典:総務省消防庁「令和6年(2024年)5月~9月の熱中症による救急搬送状況」(統計資料および消防白書)
風邪・インフルエンザ様症状
に対する研究成果
試験内容
健康な男女213名をプラズマ乳酸菌を飲んだグループと飲まなかったグループに分け、冬季70日間の症状を調べた。
その結果「咳」や「熱っぽさ」など、風邪・インフルエンザ様症状の自覚症状が軽減された。
試験内容
岩手県雫石町の全小中学校にプラズマ乳酸菌を給食で3ヶ月間(週3回)配布した。
その結果、配布した雫石町では隣接するA町と比べてインフルエンザの累積罹患率が減少した。
小中学生の町別
インフルエンザ罹患率の比率

**は有意水準0.01で、統計学的に有意差あり
出典:Health, 9: 756-862, 2017.
これらのデータは、プラズマ乳酸菌が風邪やインフルエンザに対しても機能することを示唆しています。
詳しくはこちら
どのくらいの期間で
機能が期待できる?
ここまで免疫への効果について解説してきましたが、ではどのくらいの期間で機能が期待できるのでしょうか?
こちらの疑問についても過去のヒト試験データをもとに解説していきます。
試験内容
健康な男女38名を、プラズマ乳酸菌を摂取するグループ(プラズマ乳酸菌を1,000億個含有するヨーグルト飲料を摂取する群、19名)とプラセボグループ(プラズマ乳酸菌を含まない飲料を摂取する群、19名)に分け、それぞれの試験食品を4週間にわたって摂取してもらい、試験前後の血中pDC活性を測定した。
その結果、4週間プラズマ乳酸菌を飲んだグループでは、プラセボ食品のグループと比較して、血中pDC活性が有意に高いことが認められた。

出典:Clinical immunology 149, 509-518,2013.
この実験結果から、プラズマ乳酸菌を4週間以上摂取すれば司令塔細胞であるpDCが活性化し、免疫機能を維持できると考えられます。
では長期で摂取した場合の安全性はどうなのでしょうか?
からだへの影響や安全性は?
プラズマ乳酸菌はもともとチーズなどの乳酸発酵食品に広く使われている、食経験の豊富な種類(ラクトコッカス・ラクティス属)の乳酸菌です。
ヒト試験による安全性も確認しており、1日の目安量(1,000億個)を長期間食べ続けても安全であることを所定の安全性試験*により確認しています。
いかがだったでしょうか?
今回はプラズマ乳酸菌の最新情報について、科学的な視点から解説させていただきました。
他にもプラズマ乳酸菌には新型コロナウイルスをはじめ、様々なウイルスや細菌に対する研究成果があります。
興味のある方は、ぜひ下記のページを覗いてみてください!
*Food Nutr Sci. 9: 403-419,2018.
まだまだ暑さの続く毎日を皆さんが元気に過ごせるよう、この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです!