感染症の種類から日常生活の注意点まで。“免疫”のことを『分かりやすく』発信していきます。

その不調、免疫と関係があるかも?!

「なんとなく不調」の多くは「免疫」に密接な関係がある、といったら意外でしょうか?
「免疫」の大きな役割は、新型コロナウイルスなどの病気の原因となる微生物や、からだに有害な物質から身を守り、健康なからだを保つことです。このほかにも、生命活動中に生み出される、役目を終えた細胞や老廃物などの、からだにとって不要なものを取り除いたり、傷ついた細胞の修復をサポートしたりする役目を果たしています。

例えば、なんとなく不調にもなる「目の疲れ」は、仕事や勉強、パソコンやスマホの操作などで目を酷使したり、睡眠不足やストレスを受けたりすることで起こります。目の疲れは、目を休めたり睡眠をとったりすることである程度回復しますが、蓄積することで目の不快な症状が増して、全身の疲れにもつながります。
最近はスマホを見つめる時間が増えている方も多いと思いますが、スマホの画面からはブルーライトと呼ばれる光が出ており、目の網膜にダメージを与えて、目の疲れの原因になっていると考えられています。
こうしたダメージから目を守るのも免疫の役割で、実際に免疫のはたらきを高めることで目の疲労感を軽減できることを報告した研究※1もあります。
目の疲れの対策として十分な睡眠やスマホを見つめる時間を短くするなどが有効ですが、免疫のはたらきを高めることで、目の疲れが起こりにくい状態にしておくことも大切です。

※1: Morita Y, et al. Nutrients. 2018; 10(8): 1058.

「疲れが取れない…」「イライラする…」といったなんとなく不調も、免疫が関係しています。
その関係をひも解くキーワードは「ストレス」です。

免疫のはたらきは、ちょっとしたことで崩れてしまいがち。そこに「ストレス」が関わっています。
季節の変わり目は、気温や日照時間の変化にからだがなじめず、生活リズムが崩れがちになり、ちょっとしたことでストレスを感じやすい状態です。日々の生活の中でも、仕事や勉強、子育て、知人や家族との交流などにおいて、多かれ少なかれストレスを感じることがあるでしょう。コロナ禍の生活様式の大きな変化は、さらなるストレスの要因となりました。

ストレスを感じると、脳は様々な指令を出して、ストレスに対抗しようとします。(図2)
自律神経系は、血圧や体温、呼吸、代謝などといった、普段意識することはないけれど、生きていくうえで重要なからだの働きを調整する、脳のシステムです。仕事や運動中など、あたまやからだを懸命に動かしているとき(興奮時)によくはたらく交感神経系と、睡眠やリラックスしているとき(安静時)によくはたらく副交感神経系があり、お互いにバランスを取り合ってこころとからだのはたらきを調整しています。
ストレスがかかると交感神経が強くはたらき、こころもからだも興奮状態になります。ストレスという攻撃に対抗するための反応ですが、このとき、食べたものの消化や睡眠を助け、免疫を活発にする副交感神経を抑え込んでしまいます。
また、ストレスを感じると脳は「コルチゾール」(別名ストレスホルモン)と呼ばれるホルモンの分泌を促します。コルチゾールはからだを動かすためのエネルギーを作り出し、ストレスへの抵抗する力を高めます。同時に、免疫のはたらきを抑制する作用もあります。
このように、ストレスは脳にはたらきかけ、短期的にはやる気やからだを動かす力を引き出しますが、その裏側で疲労が蓄積しやすくなったり、病気になりやすくなったり、イライラしやすくなったりします。(図2)

免疫はストレスによって弱まり、免疫が弱まるとストレスに弱くなる…。
この悪循環が様々な「なんとなく不調」につながっているのです。

ストレスの伝達経路(免疫への影響)(図2)

ストレスの伝達経路(免疫への影響)イメージ

【「なんとなく不調」から脱出するにはどうしたらいいの?】

ページ