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βラクトペプチドの特徴

Characteristics of “Beta-Lactopeptides”

「βラクトペプチド」は、
身近な食品「牛乳」を由来とする機能性食品素材です。
脳に働きかけ、その機能を活性化させる
「βラクトペプチド」の特徴をご紹介します。

βラクトペプチドとは

「牛乳」を原料とし、キリンの発酵技術によって生み出した“脳の健康”に貢献する食品成分です。

数個のアミノ酸からなるペプチド(タンパク質やアミノ酸の仲間)で、カマンベールチーズなどの発酵乳製品に多く含まれます。

食品成分として摂取すると脳に運ばれ、脳にある細胞を活性化し、脳の機能を活性化します。

これまでの日本人を対象とした疫学研究から、乳製品を定期的に摂取する食習慣を持っている人は、高齢となっても脳の機能のひとつである“認知機能”が高く維持され、認知症の発症リスクが低いことがわかっています。
さらに東京大学との共同研究により、乳製品の中でもカマンベールチーズが認知症予防効果を示すことが解明されています。
そのことに注目し、カマンベールチーズなどの乳製品に含まれている脳の健康に貢献する成分を探索した結果、キリンの脳科学研究を通じて発見されたものが「βラクトペプチド」です。

βラクトペプチドとはβラクトペプチドとは

「βラクトペプチド」という名前にもある“ペプチド”とは、アミノ酸が2個から50個程度結合したもので、結合するアミノ酸がさらに増えたものをタンパク質と呼びます。
牛乳には、“βラクトグロブリン”と呼ばれる乳清タンパク質が含まれており、これをキリン独自の発酵技術によってペプチドに分解したものから見つけたことから、「βラクトペプチド」という名前が付けられました。

アミノ酸 ペプチド タンパク質アミノ酸 ペプチド タンパク質

乳清タンパク質 βラクトペプチド乳清タンパク質 βラクトペプチド

「βラクトペプチド」は、アミノ酸の一種であるトリプトファン(W)とチロシン(Y)からなるペプチド配列を持つペプチド群の総称です。
このペプチドは、口から摂取すると胃腸から吸収されて血液に取り込まれ、その一部は脳にまで運ばれます。脳では、脳の機能を担っている神経細胞やグリア細胞と呼ばれる脳細胞に働きかけ、脳の機能を活性化します。

βラクトペプチドの一種の構造 (アミノ酸残基)
(左) WY (右) GTWY
βラクトペプチドの一種の構造 (アミノ酸残基)(左) WY (右) GTWYβラクトペプチドの一種の構造 (アミノ酸残基)(左) WY (右) GTWY

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βラクトペプチドの機能とメカニズム

脳への働きとして、「認知症の予防」、「記憶力の改善」、「注意集中力の改善」などが期待されています。

加齢に伴い脳内で増える老廃物の蓄積や脳内の炎症状態を抑制します。

神経細胞に働きかけて、神経同士の情報伝達に必要な“ドーパミン”を増やし、神経細胞の働きを活性化します。

「βラクトペプチド」が脳に働きかけることによって、「認知症予防」や「記憶力の改善」、「注意集中力の改善」といった様々な効果があることが、これまでのキリンの研究によって明らかにされてきました。これらの研究成果は、国内外の学術誌や学会などでも数多く発表されています。また、βラクトペプチドの一連の研究成果は、日本認知症予防学会より「一次予防効果に対する認知症予防効果がある。」として、食品成分としては初めてグレードAの学会認定を受けています。

βラクトペプチドの機能とメカニズムβラクトペプチドの機能とメカニズム

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ミクログリアの活性化による「認知症予防」

「βラクトペプチド」は、ミクログリアに働きかけることで「保護性ミクログリア」への活性化を促す作用があることがわかっています。
保護性ミクログリアは、認知症のひとつであるアルツハイマー病の原因ともいわれる「アミロイドβ」を排除し、アミロイドβなどによって起きている神経細胞の炎症を抑えることで、神経細胞を保護します。これにより、認知症の予防効果が期待されると考えられています。
また、ミクログリアなどで産生される「脳由来神経栄養因子(BDNF)」を増やすことで、神経細胞の成長を促し、脳の機能を活性化すると考えられています。

ミクログリアの活性化による「認知症予防」
ミクログリアの活性化による「認知症予防」
ミクログリアの活性化による「認知症予防」
ミクログリアの活性化による「認知症予防」

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ドーパミンと脳血流の増加作用による
「記憶力・注意集中力の改善」

神経細胞は、多数の他の神経細胞とネットワークを形成し、情報をやり取りすることで、様々な脳の機能を発揮しています。
その情報のやり取りに必要な脳内の物質(情報伝達物質)のひとつに「ドーパミン」があります。
「βラクトペプチド」は、神経細胞の中で「ドーパミン」が「ドーパミンを分解する酵素」によって分解される作用を抑える効果があります。この効果により、「ドーパミン」の量が増え、神経細胞同士の情報伝達を活性化する作用があることがわかっています。
ドーパミンは、脳の部位によって作用が異なっていますが、前頭葉や海馬といった部位に作用することで、記憶力や注意集中力の改善に関与します。また脳が活性化するのに必要な酸素や糖などの栄養は脳血流によって届けられますが、加齢に伴って減少します。
「βラクトペプチド」はこの脳血流のめぐりを改善することがわかっています。
ドーパミンが前頭葉や海馬といった部位に作用し、脳血流が増加することで、記憶力や注意集中力の改善といった効果が発揮されることが期待されます。

ドーパミンの増加作用による「記憶力・注意力の改善」
ドーパミンの増加作用による「記憶力・注意力の改善」
ドーパミンの増加作用による「記憶力・注意力の改善」
ドーパミンの増加作用による「記憶力・注意力の改善」

参考文献

・Ano Y,et al., Aging. 2020 Sep 29;12(18):18660-75

・Ozawa M, et al. Am J Clin Nutr. 2013 May; 97(5): 1076-82.

・Ano Y, et al. PLoS One. 2015 Mar 11; 10(3): e0118512.

・Ano Y, et al. Neurobiol Aging. 2018 Dec; 72: 23-31.

・Ano Y, et al. Nutrients. 2019 Feb 6; 11(2): 348.

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キリン・小岩井乳業・協和発酵バイオが共同研究

「βラクトペプチド」とは、キリン・小岩井乳業・協和発酵バイオが共同研究を行っている乳由来の機能性ペプチドです。

ミクログリア

脳の細胞は、大きく分けて、脳の機能が発揮される際の中心となる「神経細胞」と、脳の構造を支え神経細胞をサポートする「グリア細胞」に分類されます。グリア細胞のひとつである「ミクログリア」は、脳の中で免疫を担っている細胞と考えられています。

保護性ミクログリア

ミクログリアは普段、神経細胞に異常がないかチェックしています。脳に害となる異物や損傷などを発見すると活性化して、神経細胞を保護する作用を持つ「保護性ミクログリア」と、神経細胞を損傷・排除する作用を持つ「傷害性ミクログリア」に分かれます。

アミロイドβ

アミロイドβは、脳が活動する中で老廃物として脳の中に作り出される、脳に害を与える異常なタンパク質です。正常に排除されないと神経細胞の周囲などに沈着し、神経細胞に炎症を起こすなどしてその機能の障害や、神経細胞の破壊をもたらします。

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